マシンのセッティング(基本セット編)

小さいながらも、多数のセッティングパーツによってマシン特性を変えられるMINI−Z。MISでのマシンセッティングのプログラムを紹介してみましょう。もっとも大切な基本セットをご紹介します。皆様のご参考になればと思います。

【基本セットとコースに合わせたセット、戦略に合わせたセット】

セッティングと一言で言っても大きく3つにわかれます。
・基本セット・・・これはまずマシンがまともに走る状態にするためのセッティング。この基本セットが狂っている状態ではまともな走行をするのは非常に難しい。トップタイムから1秒以上離れている場合はこれがおかしい状態と考えられます。

・コースに合わせたセット・・・基本セットを少しだけ変更する程度のことです。たとえばギヤ比を少し変更したり、フロントのキャンパー角やボールデフの装着。などおよそ0.5秒くらいが限度の範囲でタイムを縮めることが可能と思われる。

・戦略に合わせたセット・・・レース時にストレートで前のマシンをオーバーテイクする前提でギヤ比を少し上げたり、自分が弱点とするコーナーを最優先にしたセット変更など。タイムは速くはならないがコースの部分的に特化したペースアップを目的にしたセッティングと言えます。

・味付け的なセッティング・・・最後に追加したいのがこのセッティング項目。実際の車とはスケールスピードが圧倒的に違うため、クラッシュすることもしばしば。多少のペースダウンは理解した上で、より安定したラップを刻めるようにマシンをコントローラブルに味付けすることがミニッツでは非常に有効です。

【基本セット】

基本セットを作っていくための確認事項を挙げてみます。
・前後バランス・・・マシンの旋回性能の要となるバランスです。アクセルオンの加速状態でフロントの反応が鈍く、減速時に反応が良くなるのが基本中の基本です。コーナーの内側でイン側によく突っ込んだり、ストレートでふらついて気が抜けないなどの症状はフロントがグリップしすぎている状態です。またコーナー立ち上がりで全く曲がらないなどはフロントグリップが足りていない状態です。前後のバランスはタイヤの種類によってほとんど決まります。リアはハイグリップ20ワイドに固定し、フロントタイヤを選ぶことでバランスがとれると思います。推奨タイヤははフラット40またはフラット30がよいと思います。前後バランスが決まった時の旋回はフロントタイヤが3度きれている状態でマシンは5度曲がるというものです。3度きって2度しか曲がらないのはアンダーステアで10度曲がるようなものはオーバーステアとなります。ここで大切なことはアクセルオンのときにリアタイヤの蹴りだしを感じれることです。

上下バランス・・・細かな上下のバランスはまず後回しにして、まずマシンが転倒するのかしないのか?を確認しましょう。コーナーの入り口でステアをきった時にすぐさまマシンが転倒するのはフロントタイヤのグリップ過多、またはプロポのステア角が大きすぎる場合です。コーナーの旋回中にマシンが転倒する場合は重心が高いので車高を下げる必要があります。ミニッツの構造上フロントの車高で重心を下げることは効果が薄いので、リア周りの車高を下げると全体に重心が下がる傾向があります。他車との接触や縁石にのったりということは抜きにして、どんなコントロールをしても転倒しないマシンが基本です。ステアをきりすぎると転倒するマシンでは混雑時のフリー走行やレースでの走行は自分自身と後ろから走ってくるマシンに対して非常に危険な走行となります。車高を下げることと、トレッドを広げることはコーナー旋回中に似た効果を得ることができます。ホイールのオフセットを広げてみるのも良いと思います。車高やトレッドなどはボディによって調整の限界が異なります。つまりすべてのボディがセッティング次第で同じペースで走れるわけではありません。マシンによって限界は異なります。

プロポセッティング・・・一番大きいのがステアリングの最大舵角です。基本はそのコースの一番小さいRのコーナーが曲がれることです。例をあげるとヘリオスやURの場合(2.4G R20 F30フラット)ですと02RMで35〜40くらい。MM系の場合は30〜35くらいと思われます。以外に少ない数値と思われるドライバーの方もおられると思いますが、非常に安定し高速コーナーでのスピードの乗りが体感できると思います。舵角が多いときれ角よりもむしろ最初のきり出しの微妙性が問われる高速コーナーなどで余分なステア操作に陥る可能性が高くなります。コーナー旋回はフロントタイヤの舵角が少ないほど加速がよくなります。また、ステアリングカーブなどはもっともリニアに設定しておく必要があります。フロントの反応が遅れるのはプロポなのか、マシン側のグリップの遅れなのかを見極めるためにはプロポをリニアにしておく必要があります。

まとめ・・・ここらへんまでが基本セッティングの範囲かと思います。さらにコースに合わせたセッティングを施すことによってマシンはさらに速く走るようになるでしょう。しかし、ここからのセッティングはただ変更すればよいというものではありません。サーキットにおけるいろんなコーナーの種類や組み合わせがあると思いますが、まず知らなければならないのが走行理論です。高速コーナーの理論やS字の理論などを理解した上での走行でマシンに不具合があると判断した時点で初めてセッティングが必要になります。まずはそのコーナーを速く走るマシンを真似てみることから始まり同じことが出来ない場合はセッティングを変更してみるという順番です。また誰も走行していない場合は自分の理論だけが頼りとなります。しかし走行についての理論などを記した書物もなく、常日頃から他のマシンとの距離の縮まり方や離れ方などを意識して練習走行に励むことが必要です。

【MISコメント】

基本セットは非常に大切なセッティングです。いつでもこのセットを基本にして、その日の路面グリップや、コースレイアウトに合わせて微調整をすると良いでしょう。また、セッティングの基本はリア周りから進めるということと、柔らかいものを固めていくという方向性も意識していくと迷子にならずに進めていけるでしょう。タイヤ選択と重心位置でほとんど決まるといっても過言ではないので、まずここをばっちり決めましょう。最後に大切なことですが、セッティングというのはターゲットが必要です。コースのどの部分をターゲットにするのか?ということです。ターゲットとするコーナーが速くなれば、必ず遅くなるコーナーが存在するはずです。遅くなるコーナーを実力でカバーするのがレーシングの醍醐味ではないでしょうか?参考までに大まかな基本セットを紹介しておきます。

MR−02RM/MM
リアタイヤ : ハイグリップ20ワイド
フロントタイヤ : フラット30
リアトレッド : 1mm以上
フロントトレッド : 2mm以上
Tバー : FRPミディアム
フリクションダンパー : ゆるめ
リア車高 : 1mmローダウン
フロント車高 : ローダウンなし
Sトラベル : 35前後

フリクションダンパーがゴムのカスで動きが渋い、リアホールのゆるみ、リアタイヤのテープのはがれなどがあると極端に遅い。ボディはGT系のボディが走りやすいでしょう。



細かくセットを変更しタイムを削っていく。