レースの準備を紹介

レースの日は何をしているのでしょうか?今回はMISシリーズ2でランキング2位を獲得したRT WMLのドライバーのタカハシのレース開始までの道のりを紹介してみます。比較的京商純正パーツで作られた彼のマシンは「MR−02RM」。特別速いマシンではないですが誰にでも真似のしやすいパッケージですので、良かったら参考にしてみて下さい。(上級者向けではありませんので、誤解のないようにと思います。)

サーキットへ到着

レースの準備にとりかかるのはおよそ16時ごろからですので、それまでは適当にバトルをしたり話をしたりと遊びに集中。19時スタートのレースの運営の準備がありますので、18時30分には終わらせたいところです。

パーツ類の準備

主に用意するパーツはいつも同じ。
「タイヤ2セット」
「デルリン製SPピニオン8T×1個」
「ギアデフアッセンブリー×1式」
「Vモーター×1基」
以上のパーツは新品で用意します。

レース準備開始 その1

まずは新品のVモーターとニュータイヤを搭載し走行します。この時、「接点復活剤」などの使用は一切行いません。3パックほど走行すると徐々にモーターが調子を上げてきます。そこからさらに2パックほど走行します。この時の走行の内容は主に他のマシンとの比較です。ストレートではレース仕様のマシンが続々と走っている中で若干おいて行かれることになります。ここまでで走行は5パックとなります。約2時間です。モーターならし機を所有されている方はここの行程を省略できると思います。

レース準備 その2

Vモーターのピニオンを新品に交換、ギアデフも新品に交換(ボールデフの方はスパーだけ替えれば良いでしょう)、さらにタイヤもニュータイヤに交換。そしてここで初めて「接点復活剤」なるものを使用します。そしてコースイン。この時点でストレートスピードはほぼトップクラスのものになっているはずです。最初はタイヤの皮がめくれていないので、ドライビングしにくくとにかく滑る感じです。5ラップほど走行するとリアタイヤがグリップを発揮しアンダーステアが強い状態です。フロントタイヤは30度を使用している為、リアタイヤに比べて本来のグリップを発揮するのに多少時間がかかります。1パック走行の後半でやっとグリップを発揮するようになり、前後バランスが整います。
この走行時で行う事はアンダーステア傾向が強い場合はフリクションダンパーを少し緩めます。

レース準備 その3

最後の1パックとなります。完全にレース仕様になっていますので、マシンの挙動のチェックをすることのみです。「MISシリーズ」ではスーパーラップから始まりますので、タイヤが冷えた状態のアタックを見据えて、リアのトラクション不足を解消するため、フリクションダンパーをほんの少し強めます。以上で準備は終了です。

コメント その1

最後の1パックの走行時が自分のマシンのベストセッティングとなることが重要です。モーターやタイヤが一番良い状態の時を基本にマシンの基本セッティングを行っておくと良いと思われます。セッティングの重要な要素の1つに「再現性」というものがあります。いつでもそのセッティングが再現できるか否かという事です。特にタイヤに関しては重要で5分山でのセッティング等を行っていると、再現性は良くない状態です。いつでも5分山のタイヤを用意しておく必要があるからです。またタイヤの交換は基本前後同時が再現性が良いでしょう。

レースが終了すれば、そのままのパーツで次のレースまで約2週間の走行をします。どんどんパワーもなくなりますので日頃の練習走行ではベストラップでは決して走れませんし、レース日の午前中の走行などは非常に遅いペースでのラップになることと思います。しかしながら、レース時のパワーから逆算して他車との差を冷静に見ておけば何も慌てることはないと思います。タイヤは減ったら交換します。

コメント その2

いつもベストのマシンで走るにはそれなりの資金やメンテナンスの時間が必要になります。とりあえずレースの時だけ速ければいいという考えの方々はこんな方法はどうでしょうか?どうせニューパーツを装備するならレースの時にそのパーツの最大限の力を発揮させてやると良いと思います。
※マシンを2台所有されている方は、さらに良い運営ができるかもしれませんね。

みなさんのご参考になりますでしょうか?当たり前と言えばそれまでですが、コスト削減がモータースポーツの現在のテーマと言っても過言ではない昨今ですのでミニッツと言えども上手にマシンを維持していかなければいけませんね!


ビッグチームでは、プロフェッショナルなレース向けのテストやシュミレーションプログラムを実行しています。矢田研究所やKRCなどのプログラムも後日公開させて頂く予定です。お楽しみに!!