手にした最速の称号! / WML&MIS京都最速トーナメント レポート(2回戦〜決勝)

トナメントレポートの続きです。1回戦を勝ち抜いたマシン同士の戦い。バトルは勝ち上がるにつれ実力が接近し熾烈を極める・・・。

トーナメントは「完全車両保管体制」で進行される。

【2回戦】

「ムラカミvsヤマウチ」ムラカミのマクラーレンはやや大柄なマシン、後方スタートと相まってインを刺すのが非常に困難だ。対するヤマウチはもはやイケイケで勝ち進む事だけを考える。スタートを無難に決めたヤマウチが快走するも、さすがはエースドライバーのムラカミ。2ラップ目にはぴたりと背後に迫る。何度か仕掛けようとするが、ヤマウチも気迫の走りで対抗する。そして4ラップ目に突入、そろそろ動きがあるかと思われた瞬間、ヤマウチ6コーナーで痛恨のミス!!ムラカミがまたしても勝利!

「サカモトvsオグラ」実力者同士の好カード。サカモトの先行逃げ切りか?またはオグラが魅せるか?スタートはサカモトが先行をキープ。しかし5コーナーでわずかにアウトへはらむ。人間アクティブサスペンションの異名をとるオグラはこういうミスは決して逃さない。一転オグラが先行しサカモトを引き離しにかかる!しかし、本日の魔界の入り口6コーナーへようこそ!6コーナーでオグラがなんと単独で転倒!サカモトの勝利!プレッシャーを与えていたのか?

「イクタvsヤダ」先行イクタに対して、ヤダがスタート直後から猛烈なプレッシャー。SC430同士の熾烈な攻防戦だ。先行イクタは4ラップ目までは集中力全開でキープしたにも関わらず、2コーナーでクラッシュ。あと2ラップのところでヤダの勝利!

「イツウvsイシムラ」ミスターアグレッシブ、イツウが登場!後方スタートだ。そして先行はイシムラ!スタートを決めたイシムラ、そしてイツウの追い上げ。等間隔で周回を重ねていく。ペースがほとんど同じ争い。精神力の勝負となった。少しずつ差を詰めていきたいイツウ・・・。しかし5ラップは残酷にも経過する。まれに見るハイレベルな争いにギャラリーも見入ってしまった。イシムラ辛くも勝利!

「ナカムラマサvsタカハシ」フェラーリのナカムラが先行。そしてチャンピオンの童夢タカハシはもちろん後方スタート。スタート直後にタカハシがナカムラの背後にぴたりと張り付く。ナカムラはブロックラインをキープ。タカハシもすぐさまそれを察知し、頭脳戦に突入する。背後で控えるタカハシはナカムラの走りのアナライズを開始する。勝負はファイナルラップかと思われたが、3ラップ目ナカムラが最終コーナーでミス!!タカハシがナカムラをオーバーテイク。あとは出力全開でタカハシが逃げ切り。ナカムラの作戦も見事だった。

「ホソミvsクサカベ」日頃のプラクティスでは、トップクラスのスピードを魅せるホソミ。対するクサカベはMISシリーズの経験を積んでいる。スタートからお互いに軽微のミスをくり返すが、順位の変動はない。スローな展開だが、ホソミが徐々に差を広げていく。そして5ラップを征したのは辛くもホソミだった。

「マスイvsカタヤマ」ハイメカニズムなリンクシステムが組み込まれているマスイのフェラーリ。後方スタートのカタヤマの作戦とは?オープニングラップはマスイが征する。しかし背後にはカタヤマが既にスキを伺っている。2ラップ目に突入、なんとかこの周もカタヤマを抑えきったマスイ。そして3ラップ目、2コーナーでフェラーリがクラッシュ!!カタヤマがプレッシャーを与え続け勝利!!カタヤマ、ベスト4に一番乗り!


↑オグラは6コーナーの餌食となる。

↑SC430対決はイクタが先行するも、勝利はヤダの手に。


【3回戦】

「ムラカミvsサカモト」ここまでくれば、メンバーは実力者しかいない。あとは作戦と集中力の勝負。サカモトを相手に後方スタートは厳しい現実のムラカミ。スタートでサカモトが先行キープ。ムラカミが追い上げる。2ラップ目の後半でムラカミがサカモトをとらえた。ここからバトル開始だ!様子をうかがうムラカミにたいしてサカモトは落ち着いた走行を続ける。先行のサカモトもまたムラカミの動きを観察している。そして後半戦、ムラカミが何度か仕掛ける。しかし必殺の間合いには飛び込めない、残りの距離も減っていく。ファイナルラップ、最終コーナー立ち上がりでムラカミが勝負にでた!結果は?ハナの差でサカモトが勝利!!!

↑フィニッシュの瞬間はほとんど差が無かった。最も差の少なかったのがこの試合。

「ヤダvsイシムラ」イシムラ先行、ヤダが追い上げ。オープニングラップからヤダの猛チャージが始まっている。しかしイシムラもこれを落ち着いて処理。ヤダは何度もアタックを試みるが、イシムラがそれを防いでいる。どうやらアタックをかけすぎたのが裏目にでたのか?ヤダの動きはイシムラに読まれ始めている様子だ。そして最終ラップ、ヤダがイチかバチかのオーバーテイクを7コーナーで強行!!しかし、これはクラッシュを招いてしまった。イシムラ強し、またしても勝利!

↑強さを発揮するイシムラ。5周でイシムラを攻略するのはヤダでも難しい・・・。

「ホソミvsタカハシ」ダークホース的に勝ちを進めるホソミ。対するのは王者タカハシ。オープニングラップ、スタートで先行しているホソミをタカハシが追い上げるか?と思われた瞬間に頭をよぎる!「魔界の入り口」なんと6コーナーでタカハシが転倒!1周で勝負あり。ホソミが労せず勝利!タカハシのコメントは「ホソミには1週目で追いつく必要があった為、攻めすぎた。タイヤが冷えている2週目までが勝負だった」作戦ミスで敗北した。

↑ホソミは王者をも敗る。大金星!!

【準決勝】

ここまでたどり着いたのは、マクラーレンの業師イシムラ、その実力は折り紙付きムルシエラゴのサカモト、京都最速伝説一番弟子、ポルシェのホソミ、MISのカタヤマ、そして5番目のマシンは敗者復活ブロックをはい上がってきたNSXのホンダ。決勝にコマを進めるマシンは?

「イシムラvsサカモト」互いに安定感抜群のドライバーの対決。スピードではイシムラのマクラーレンがやや有利か?サカモトはどうでる?実力者同士のバトルだけあって非常にハイレベルな展開が続く。順位の変動はなさそうにみえたが、4ラップ目、なんとサカモトがホームストレートで転倒するというアクシデント。イシムラが決勝に!!

↑勝ち続ける時は運も味方につけなければならない。ストレートでの転倒は未だに謎につつまれる。

「ホソミvsカタヤマ」ここまでで既にホソミのスピードは把握しているカタヤマ。後方からのスタートでどう対処するのか?スタートと同時に速くもホソミが快走。カタヤマもなんとかペースを上げるが、逆にミスを発生し差が開いていく・・・。なすすべ無しか?誰もがそう考えたが、カタヤマはルールの盲点をつく頭脳プレーを見せる。「待ち伏せ」あえてラップ遅れになり接触を狙う。しかしホソミはそれに屈さず勝利をもぎ取る。カタヤマはここで撃沈。ルールの適正化に貢献してくれたカタヤマにも拍手を送りたい。
※次回のトーナメントの新ルールがここで発生。ラップ遅れになると敗北となります。

↑速さを見せつけたホソミと、新たなルールを作ったカタヤマ。

「ホソミvsホンダ」当日エントリー枠のホソミは、敗者復活ブロックの勝者と戦い、勝利しないと決勝へは進めない。そしてその相手は類い希な才能を発揮するホンダ。ホンダは後方スタートだ。スタートを両者無難に決め、周回を重ねる。ホソミのペースが速い。ホンダもそれを察知しペースアップ。この辺の状況判断が上級バトルだ。お互いの走りを観察しながら自分のマシンをコントロールする。ホンダの追い上げが始まるが、ホソミのペースがそれを上回っている。ホンダもぎりぎりまで攻め込むがミスが発生してしまう。ホソミがホンダまでも抑えて勝利!!決勝戦へ。

↑互いにMISシリーズ2での主役を演じるであろう2台のマシン!

【決勝戦

イシムラとホソミ。勝った者が「最速」ということになる。お互いあと一勝。さあスタート!!
「イシムラvsホソミ」お互いに本日の調子は良いようだ。いろいろなテクニックを持つイシムラ。スピードにはホソミも自信あり。スタートは横並び。スタートを決めたのはホソミ。やはりこれを狙っていたのか?得意の先行逃げ切り!!1コーナーを征したホソミは一気に出力全開でイシムラを突き放す作戦。しかしイシムラのペースもいい。決勝戦ミスは命取り。後半に入ってもホソミはペースを崩さない。イシムラどうする?しかしイシムラも限界で攻めている。そしてファイナルラップ。最後の5ラップを征したのはホソミだった。そして「最速の称号」。ホソミはその称号通りの走りをみせてくれた一日だった。

↑もはやホソミを止めることは誰にもできない。本日は残念ながら参加できなかった「京都最速伝説マトバ」を師と仰ぐホソミ。「最速」という名刺はMISシリーズ2への挨拶がわりか?

【3位決定戦】

「ホンダvsサカモト」サカモトが先行スタート、ホンダは後方からの追い上げ。オープニングラップをサカモトが無難に征し2ラップ目に突入。速くもホンダが仕掛ける5コーナーでインにマシンをねじ込むが立ち上がりのラインをサカモトがうまくブロック。そして3ラップ目またしてもホンダが仕掛ける。5コーナーを足がかりにターゲットコーナーへタイミングを合わせていく。6コーナーでスピードにのせ、7コーナー!!ここをホンダが狙っていた。本日のベストオーバーテイク!!そして逃げ切り。ホンダが3位に入賞した。

↑ハイレベルなバトルを見せた3位決定戦。

【最終結果】


1位 ホソミ / ポルシェ  「MIS賞獲得」
2位 イシムラ / マクラーレン
3位 ホンダ / NSX  「WML賞獲得」「ベストオーバーテイク賞獲得」 
4位 サカモト / ランボルギーニムルシエラゴ

【MISコメント】

「MIS賞について」
MIS賞を獲得されたホソミ選手は一日を通じて本当に速かったです。それに安定感も抜群で終始落ち着いた走りを見せてくれました。ホソミ選手の特徴はそのコーナーリングの美しさがあげられます。美しい弧を描くコーナーリングはマシンの特性を余すことなく引き出している事でしょう。MISシリーズ2でもその速さでご活躍されることと思います。本日は本当におめでとうございます。

「WML賞」
敗者のブロックを勝ち抜いた事に贈られるWML賞を獲得されたのはホンダ選手。普段から走りのセンスは抜群のホンダ選手はオーバーテイクも非常に上手な選手でこのトーナメントではその実力を発揮して頂いたことと思います。さすがの一言。おめでとうございます。

「ベストオーバーテイク賞」
もっとも美しいオーバーテイクを見せたドライバーに贈られるこの賞を獲得したのは、またしてもホンダ選手。3位決定戦時のサカモト選手との攻防戦。2ラップ目には4コーナーで仕掛けるもオーバーテイクならず。ここですばらしいのは、既にちがうオーバーテイクポイントを探し始めているところです。3ラップ目の7コーナーでオーバーテイクするのですが、一つ前の6コーナーでラインを既に変えているあたりは実戦慣れということでしょうか?一連のシナリオに沿ったお手本のような一瞬でした。言い忘れてはならないのは、サカモト選手です。抜かれる瞬間、非常にフェアな走りでした。ならばれた時に無理に幅寄せなどをせず、きちんとホンダ選手のスペースをのこしてあげていました。戦いながらもきちんとお互いの意志の疎通が出来ているというハイレベル極まりないバトルは、ホンダ選手とサカモト選手の2人だからこその5ラップだったのではないでしょうか?両選手ともに最高の走りだったと思います。

「トーナメントを通じて」

上位入賞のドライバーの方々おめでとうございます。またトーナメントに参加していただいた方々、特に遠方よりご参加していただいた方々、本当に有り難うございました。みなさまのおかげで楽しいトーナメントが開催出来たことをMIS一同心から感謝しています。バトルの内容も非常にハイレベルなバトルもあり、また笑いありと内容が濃かった一日だったと思います。トーナメントを通じて「オーバーテイクの難しさと楽しさ」を感じて頂けたなら嬉しい限りです。「超接近戦」「サイドbyサイド」「クロスライン」「フルブレーキング勝負」などなどドッグファイトはカーペットコースの醍醐味だと思いますし、普段のフリー走行などでも見ず知らずのドライバー同士が熾烈なバトルを繰り広げている光景を目にします。しかし戦いが終われば「ノーサイド」あとは楽しい談笑をしている様子は、とっても素敵なことだと思います。また、バトルの実力はサーキットの雰囲気が作り上げていくものだと考えています。WMLはそんなドライバーがたくさん集まるサーキット。初心者の方でも気軽に声をかけてみんなで楽しめる雰囲気のサーキットです。そんな中でのトーナメントでしたので、楽しいイベントになったのではないかと思います。参加者の方々が作り上げているイベントだと改めて考えた一日でした。今後とも宜しくお願い致します。ありがとうございました。


↑ハタヤマ店長にも感謝!